ウォーレン・バフェットはこう語りました。「価格はあなたが支払うもの、価値はあなたが得るもの」。価値投資家にとって、この二つを見極めることが収益の核心です。本稿では、割引キャッシュフロー(DCF)モデルで企業の内在価値を計算する方法を解説します。
内在価値とは
内在価値は、企業が残りの生涯で生み出すキャッシュフローの割引現在価値です。市場心理、株価の変動、アナリストの目標価格に依存せず、企業の実際の稼ぐ力に基づきます。
計算ステップ:DCFモデル簡易版
- 1. フリーキャッシュフロー(FCF)の推定: 企業が今後5〜10年で生み出す自由なキャッシュを予測する。
- 2. 割引率の設定: お金は今日のほうが価値があります。将来のお金を現在に割り引く比率(通常は加重平均資本コストWACC)を用いる。
- 3. 終価の計算: 企業は10年目で終わるわけではありません。10年目以降のキャッシュフローの価値を見積もる。
- 4. 集計: 予測期間の割引キャッシュフローと割引済み終価を合算し、負債を差し引き、現金を加えて株主価値を得る。
「曖昧でも正しいほうを選べ。正確でも誤ったものより。」 —— ベンジャミン・グレアム
よくある落とし穴
内在価値の計算は水晶玉ではありません。最大のリスクは「ゴミを入れればゴミが出る」こと。将来成長率の仮定が楽観的すぎれば、算出価値は過大になります。常に保守的に——それが長期生存の鍵です。